★花の絨毯 1 | ペルーで事件簿2

★花の絨毯 1

今更ですが、先日撮ったセニョール・デ・ロス・ミラグロスの更新の写真をアップです。

国会議事堂近くで、二階建ての建物の二階から撮りました。




…さかのぼること350年、1655年の11月13日。

リマ・カジャオ地方を大地震が襲います。

建物、特に日干し煉瓦でできた貧しい地域の建物は軒並み振動によって倒れ、数千人の死者が出ます。

パチャカミージャという貧しい地域も例外ではありません。


そのパチャカミージャという地域は、

以前パチャカマ地方の出身者で作られたコミュニティだったのですが、

そのときにはアフリカのアンゴラからつれてこられた黒人達のコミュニティになっていました。

彼らは貧しい暮らしの中でも信仰に救いを見出そうとし、

日干し煉瓦を積み重ねて、一つの礼拝堂を建てます。


その礼拝堂の壁のある一面には、信心深い黒人の手によって、磔のキリストが描かれました。


そしてその地震の日、ただ目を覆う惨劇の中、一つの奇跡が犠牲者の心に救いを与えます。


日干し煉瓦の瓦礫の山。

周りを見れば死体だらけ。絶え間なく聞こえるけが人のうめき…。

そんな地獄絵図の中、倒壊した建物の合間に、そびえたつものがありました。


あの貧しい黒人達の神様、礼拝堂の壁に描かれたイエス・キリストが、

倒れることなく犠牲者を見下ろしているのです。

イエスキリストが描かれた壁だけが、

地震によって壊されることなく残っていたのです。


奇跡はそこで終わりませんでした。

奇跡を起こしたそのキリストの描かれた壁は、あらゆる大衆の信仰の対象となりました。

政府はその信仰を禁じ、挙句には取り壊そうとするのですが、

そのたび大きな地震が起こり、ついに目的を遂げられなかったのです。

民衆の抗議の下、

副王もついにその「パチャカミージャのキリスト」に対し、

1671年、ミサを行います。


そして三度起こるセニョールの奇跡。

1687年、再び大地震、カジャオ及びリマ地方を襲います。

そのセニョールの像が置かれていた礼拝堂はまたも倒れますが、

セニョールの像だけはまたしても倒れずに残ります。



今ではペルー各地でその500kg近いキリスト像のレプリカを神輿に乗せ、

飾り物も含めて2tはあろうかというその神輿を、

神父たちが担いで汗だくになりながら、

10月18、19、28に行進をするのです。


いわれを四五行でささっと書いて、

後は写真を載せるつもりだったのに、

つい力を入れてしまった。

だれでもしってるっちゅーねん。


でもこれを書かないと重みがないねんなあ。


長い文章、またあの人に読み飛ばされるなあ。




…ねむたい。




写真はまた明日。