ペルーで事件簿2 -9ページ目

★空港での一こま

まだ見ぬ人を待つとき、それが空港での話ならみなプラカードのようなものを掲げ、そこに名前を書く。

書いただけでは物足りず、その名前を叫び始める人も。


「 ゴ ォ ン サ ァ レ ェ ス ! ! ! 」


特にゴンサレスは低音でよく響きます。


しかしそのプラカードは初めて会う人にだけ使われるとは限らないのです。



そんな今日見た粋なプラカード。





aeropuerto

       


デジカメを持ってなかったんだけども、まあこういう手もありかなと思いついた今日。

女の子の顔を書くと顔がペコちゃんになるのはまあ勘弁してください。


単純にいいなと、

伝わってくるなと、

国際線の出口でなく国内線でやるところもいいなと、

愛だなあと。


ただ引っかかったことが一つ。


この文


Te amamos hasta el cielo


これを原文の味を損なわずに訳すことはできるのでしょうか。

直訳は


空まで愛してるわ


となるわけだけれどもほんとは


Te amamos mucho


の意味で


とーーーっても愛してるわ


となるのが正しいのだけれども、

それでは「」が活かせない。


「空まで」という表現は「非常に」という程度の大きさを表す表現にしては

日本人にはあまりになじみにくい。

では「まで」という制限句に注目してみればどうか。


「まで」をつかって―



骨の髄まで愛してるわ



「まで」と「愛」の組み合わせはこれくらいしか思いつかない。

しかし明らかに父親に対する愛情表現には向かないのである(誰やねん俺…)

やはり書いたのが子供であることを考慮して「空」を子供チックになっても活かしたい。



空いっぱいにダイスキ



…うーーーん。



空いっぱいの愛を



…なんか三流のラブソングじゃん。

ちなみに


死んでも愛してるわ


とか


天国に行っても好き


とかいう意味ではございません。


わたしの愛は空まで届く


という意味合いがあるわけで。

そこを受け手に強調したいわけで。


家族のために離れた土地でがんばって働いて帰ってくる父親を、

宇宙いっぱいの無限の愛で包み込みたいわけで。


で、わたしの結論は




「 お 空 い ー ー ー ー っ ぱ い に 愛 し て る ! 」




となりましたが、皆さんどう思われますか。


こうやって問いかけて答が帰ってきたためしあんまりないんだよな…。

★ええはなしや… ・゚・(ノД`;)・゚・

タクの運ちゃんから聞いた話ね。青が僕で黒が運ちゃんです。




祭日まで仕事大変やね。


はい。


稼がなあかんもんね。


ですね。


家族とかおるの?


いますよ、女房と娘が二人。


おお、じゃあ一生懸命はたらかなあかんね。


そりゃあそうですよ。


娘達は今何歳?


上が14で下は八つです。


下はまだかわいいけど上は…生意気になってきたとか?


へへへ、そうなんですよ。何言っても反抗してね。


あああ、大変だ。


今はあんまり口もきいてくれないんですね。この前もけんかしちゃって。ちょっとしたことなんですけど。


ほう。


ちょうど父の日でね。私はイカにいる親父のところを尋ねる予定でね。娘達も行く予定だったんだけど。


行かなかった?


はい。その時は機嫌を直そうと私もがんばったんですけど…結局私が一人で行くことになって。


ありゃりゃ。


もおじいちゃんはとっても好きなんですね、娘達は。それで私にことづけをしたんです。


ことづけ。


大きな箱でした。はい、おじいちゃんにって。


ああ。


まあ、うちの親父も喜んでくれるだろうから、私もまあ納得して車で家を出ました。


一人でね。


はい、一人で。まああんまりいい気分はしませんでしたけど。私も父親なんですから。


そりゃそうだ。


四時間くらい車を飛ばして両親のうちに着きました。とりあえずビールでも飲んで…


色々話をして…


そう、子供の話とかね。仕事の話とか。あ、そうだ、親父、わたすものがあったんだと。


うん。


開けたのは母親でした。開けると中に箱が二つ。一つにわたしの親父の、もう一つにわたしの名前が。


えっ。


結構な大きさの箱だったんですけどね。


おっきなプレゼントだったの?


いや、何も入ってなかった。


えっ。


いや、入ってないと思ってたんですけど、底の方に手紙が入ってたんです。


手紙。


最初ちょっとびくりとしましたよ。出るときサヨナラも言わなかった娘が何を書いたんだろうって。


そりゃあね。


「パパ愛してるよ、いっつもけんかばっかりしてごめんね。おこりんぼうだけど、パパのことはダイスキだよ」


えっ、ほんとに?


そう、だからねえ…。


だからがんばれるんだねえ。


そうなんですよねえ。



深夜1時、空港からの帰りのタクシーでの会話でした。降りるとき、運ちゃん僕の名前を聞いてね。どうせおぼえてやしないだろうと思ったんだけど、この前「カン!」と遠くから声をかけられて。


ええおっさんやなあと…。



★どこでもおんなじや

日本では今年上半期だけで578人が出会い系による被害にあい、そのうち女子高生が229人を占めていたとのことです。


「現在の日本は…」


と嘆くことなかれ、同じようなことがここ地球の裏側でも起こっているのです。



その事件が新聞に載ったのは2日前のこと。

12歳になったばかりの中学生の女の子が、インターネットで知り合った25歳の男と6月の28日から、

行方をくらましてしまいました。


その女の子は頭もよく明るくて、利発な子だったといいます。

他の同級生がやっているように、ある日彼女もチャットをしていて、

ある12歳の男の子と知り合い、意気投合します。しかし「実は…」と告白するには、14歳だったと。

そして彼女が初めてその彼にあったとき、その大人びた外見に異常を感じます。


「実は18歳なんだ…」


その男は25歳の既婚者で、子供も女の子が二人いました。


その2日前の時点で既に一ヶ月以上行方をくらましていたのですが、なんとこれは初めてではありませんでした。

6月の9日にも一度行方をくらまし、同じ月の16日に家に戻っています。


「女友達の家にいた」


という嘘を見破るのはたやすいことです。

メールをチェックした両親は、娘に彼氏がいて、逃避行をする算段を以前から立てていたことを発見するのです。

時には甘い言葉でささやき、時には両親にばれないように脅しをかけ、

少しずつ12歳の女の子は、13歳年上の男に洗脳されていきました。

およそ一週間の逃避行の間彼らはアレキパにおり、そこで性関係をもつにいたりました。


それからというもの両親は厳しく娘の行動に目を光らしていたのですが、

下校の最中、ちょっと目を放した隙に娘は逃げ、再びの逃避行が始まります。


逃走劇が一ヶ月を過ぎる頃、男は自分の顔が新聞の一面に載っているのを街で目にします。


そして二人はリマに帰ります。


男は少女に家に電話をかけさせ、二人を探さないように説得させようと試みました。

逆に両親に説得された少女は、翌日の夜、スルコのあるガソリンスタンドで両親と会うことを約束します。



…そして昨日の深夜、寒空の下神経質に待つ両親の前に、

いなくなった日にもって出たリュックを背負った、わが子が現れるのです。

感動的な対面を果たした両親は、端のほうに離れて、一部始終を見ていた男を発見します。


あの男です。


走りよる父親、一緒に走る報道陣、逃げようとする男、それを捕まえて倒し殴る父親、それを止める娘。


私は誰にも誘拐なんかされてない!彼は悪くないわ、話してあげてお願い、娘のためを思って


泣きじゃくる娘はなおも男と逃げようと試みます。

二人は、スルコの交番へ連れて行かれました。


二人はワンカヨのあるホテルにとどまり、男はそこで本気で仕事を探そうとしていました。

その間の必要経費は男が「仕事を探しに行く」といって教師の妻からもらっていたものでした。


男曰く

今は後悔している。でもとっても彼女に恋しているんだ。一度も犯罪を犯しているなんて思ったことない


娘曰く

確かに最初18歳って嘘をついてたわ。でも彼は私のために全てを捨てたの。

 私を愛していて、私を必要としているからよ!


父親曰く

ただ公正な審判を望む。この恥知らずは同じ事を他の未成年者にやる恐れがある。

 これ以上他の少女達の人生を壊させないでくれ



精神分析の結果、男に自己責任能力はあるとの事です。

一番重い14歳以下の少女への「暴行」。

最低でも20年間はブタ箱行きです。




今ペルーでは、連日のようにインターネットによる出会いの被害が取り上げられています。



★いたいって

またたっちゃったよ… orz

つみぶかいよなおれって…

どうしてこういつもいっつも…

っていうか、もうこんなものいらない、マジ…




この一連の思考は何に言及していますか?

何が「たっちゃった」のですか?

あなたが一番先に思いついたもので間違いないと思います。



男性に起こるべくして起こるこの現象を忌み嫌っていたのはワンカヨの男の子

マルコス・エスピノサ・ベルナルド。

彼は新世界協定イスラエル使節団派プロテスタント教会の、熱心な信徒でした。

「正しい道を歩み、神に近づきたい」彼は、邪念を起こさせる彼の生殖器を忌み嫌い、


排除したいと思います。


剃刀を手にしました。


迷いはありませんでした。


スパッと。


下にぶら下がっていたあやしげな二つの袋ごとスパッと。

一気に。

やっと自分を煩わせる厄介者を排除した彼はその厄介者を便器に放り込み、レバーを下げます。


ジャー…ゴボゴボゴボ…。。。


友達はもう二度と帰ってはきません。



異常を察した家族が血だらけの息子(本当の息子ね)を発見、

最寄の病院にすぐに連れて行きます。


しかしこの熱心な教徒は何を思ったか、処置の跡切断の理由を変更します。


ほんとはね、自転車から落ちて強くうったんだよ。そしたら二つともえらくはれてるじゃないか。

 医者に見せるよりは切り落とそうと思ったのさ。でも今の自分を見て、後悔してるんだ


遅いよ後悔するのが。ってゆうかそのコメントの変化は何のフォローにもなってないねんて。


警察は彼にオカマの疑いをかけて調査中です。


イヤ、そんなん調査せんでええからもっと泥棒捕まえてさ。



ちなみにマジにコメントすると、


自然な現象として勃起する生殖器を煩悩を起こさせるからと切り落とすのは、

邪念が起きるからとあたまを切り落とすのと同じで、

根本の解決には何も役立たない。

日々わく欲望に打ち勝ってこそ得られる果実。


そう考えたら、僕は彼より聖人に近い。


★ペルーの国旗



             banderas



このペルー国旗は四代目なんですね。


垂直な二本の線で三つに区切られ、横二つが赤。

しかし一番最初の国旗のデザインはなんと…



              higeoyaji


なんですか?




ひげおやじ?








答えは…




ドレミファドン!



ドレミファドンといえばあれですわ、×てんのマークのマスク。

それそんまんまなんです。


「…二本の対角線により四つに分けられ、上下部分は白、左右部分は赤…」 つまり



             bandera con diagonales



こんなだったんですね。


手前に青い海。奥に山脈。その後ろから太陽が昇っているという。




…1820年9月8日のこと。


王党軍征伐へとイカ地方ピスコに上陸したホセ・サン・マルティン将軍は軍を休ませ、

自らも椰子の木の下で仮眠を取ります。

そしてある夢を見ました。


独立バンザイ!!


民衆が美しい旗を振りながら独立の雄たけびをあげています。


ハッと目を覚ました瞬間、空高く飛ぶフラミンゴの群れが一つの帯となって、北へ向かうのを見たのです。

側近へ声をかけます。


お前達あの北へ向かう鳥達を見たか


―はい、将軍。赤と白でございました。


アンデスフラミンゴと呼ばれるその鳥は、羽根は赤く胴体は白い。他の側近も続いて言いました。


―まるで旗のようでしたな。(←ここらへんちょっとわざとらしい)


あれは旗だ


…首都リマのある北へと向かうその鳥達は、まるで彼らに行く道を示しているかのように見えました。

その時の彼らの目に焼きついたが、そのままペルーの国旗の色となって、

今に至るまで残っているのです。




まあそんなことはいいんですよ。


昨日ちょっとショックなことがあって、ペルーに来てから一番落ち込んでいる今、自分の事しか考えない僕は、

何のための独立記念日かと。騒ぐなと。


そんな僕に、ちょっとした奇跡が起こりました。


ミラフローレスで仕事を終え帰路、いつもよりにぎわうケネディ公園を歩いているとき、

例の円形階段状広場で、民族衣装を着た若い男女が、フェステホと呼ばれる

まさにその国旗が生み出されたイカ地方の、アフロペルーダンスを力強く踊っているのを目にしたのです。


黒人奴隷達によって生み出されたその舞踊は

カホンと呼ばれる箱型太鼓の力強いリズムで

その地特有の衣装を着た若者達の腰を上下左右に揺さぶり、激しいステップを、裸足の足に刻ませます。



             alcatraz



他の観衆と共に徐々に引き込まれていく僕の意識は

若者達が火のついたろうそくを手にしてアルカトラスを踊り始めたときに

少しづつ明るく照らされていきました。


ペアになって踊るその踊りは、お互いの腰につけられた紙片を、

片方がろうそくの火で燃やそうとすれば、もう片方が腰の動きでその火を消そうとする、

とてもユニークでセクシーな踊りです。


若者達がその踊りで一曲終えた後、見ている観衆の中から数人を引き込み、

火を消させる役目をさせたり、火をつける役目をさせたりして、更に激しく踊り続けます。。

飛び込んだ素人さんも大ノリで腰を振るもんだから、

老若男女観衆は大笑いです。


一緒に大笑いしながら僕は思いました。



神様っているんだなあ…



単純な性格は、僕の悪いところでもありいいところでもあると思います。



独立記念日バンザイ!!!



また一つペルーが好きになりました。



★お年寄りの希望

ペルーの中で一番好きな時間と空間。


それが僕の場合実は下宿から歩いて2分の場所に、毎週水曜日午後六時に出現する。


リマ、へスス・マリア区、スーパー・サンタイサベルのすぐそばの広場がそこだ。

周りには銀行や美容院、レストランなどが集まり、昼間は主婦や老人の集まる、

サンフェリペ住宅地域住民の憩いの場だ。



baile jesusmariano



演奏しているのは区の楽団だという。

腕利きばかり22人のオーケストラが毎週欠かさずこの場所に集まり、

午後六時から八時までさまざまな音楽を奏で

市民に無料で快適な野外ダンスホールを提供する。


サルサ、メレンゲ、クンビア、ワルツ、タンゴ、ワイノ、マリネラ…


演奏する方も常に楽しみながらできる限りの演奏をしているのがわかるし、

それが聞いて踊る方にも伝わってくるのだ。


ただ市民に楽しんでもらうためだけに毎週演奏しに来るバンド。

とっても、粋だなあ、と僕はいつも思うんです。

もし友達が僕を訪ねてペルーに来たとしたら、ぜひここに連れて来たい。

ペルーを知りたければここへ来い、と。


参加しているのはほとんど年配の方々です。

しかし酒を飲みタバコをふかしながらディスコで踊る若者と比べたら

しらふで心から楽しんで踊るおじいちゃんおばあちゃんが、

なんと力にあふれていることか。

ある男性は毎週おめかしして奥さんと、あるご婦人は大胆にミニスカートでやってきて

皆の前で非常に楽しげに踊りに興じるのです。


さて、ここは穏やかな住宅地域ヘスス・マリア区。


apartate de las drogas


端が切れてますが


「自分を愛しているのなら、ドラッグから手を引け」


という区によるペイントが、その広場から1分ほどのところにあります。

若者むけのメッセージと思われるかもしれませんが、

実はドラッグは若者だけのものではないということです。


26日、そのヘスス・マリア区のサン・ホセ広場において、ドラッグ対策のための講演会が催されました。


毎年、孤独や貧困によりドラッグに手を出す40歳から64歳の男性・女性が増えているそうです。


講演会なんかもそうだけど、この粋な演奏会も、

そういうおじいちゃん・おばあちゃん達に毎週生きがいを与えているというかたちで

ドラッグ予防につながっているのかもしれない。

なんにしろ楽しそうだ。



水曜日のその時間、二階の渡り廊下からにやけて下を見下ろしている日本人がいたら、間違いなく僕です。

運がよければ僕の無様に踊っている姿が見れるかも?!






みたくねえか…。


★想い出はセピア色…

axl 1991




             ↓


             ↓


             ↓


             ↓


             ↓


             ↓


            十年後


             ↓


             ↓


             ↓


axl 2002



おわり

★マチズモ打破!

あれ?


タクシーを止めたと思った僕はもう一度その車に「TAXI」のステッカーが付いているかどうか確認しました。

運転手が女性だったからですね。ペルーに住んでて、女性の運転手は初めてでした。


「みんなおんなじことするのよ」


そういって二児の母だという彼女は笑いました。


コンビに乗ってて女性のコブラドール(料金徴収人、コブラドーですね)はよく目にします。

一般的に行って男性コブラドールの三倍ほど乗客に気を配れるイメージがあります。

男性は雑。だから、女性の運転手で僕は安心しました。


「絶対女性の方が気ぃきくのよ。特に私みたいに母親だとね、

 ほんとにいろんなことで気がきくの。

 女性だとお客さんも襲われる心配がないから安全だし」


うんうんとうなずいていると…


「ほんとは私は会計士なの。大学でちゃんと勉強したのよ。

 だからこの仕事は言ってみたら本意ではないんだけど

 子供が二人いるじゃない。

 ぜいたく言ってられないのよ。

 前の旦那とはこの二月に別れてね…

 あっ、危ないじゃないあの車!何考えてるのよ!」


…えー、15分ほどの乗車時間で三回ほどニアミスしました。

一回だけの経験でなんやかんや言うつもりはないですが、

やっぱり性の問題よりその人の性格の問題だと思います。


雇用機会が拡がるのはいいことです。



19日、カジャオ共同体婦人委員会による一家の母親のための

「バス運転手、コブラドーラ講習会」の第一回の卒業式が行われ、

48人のご婦人達が修了書を手にしました。



las choferes


運転手になるには80時間の学科教習と20時間の実技教習が必要です。もちろん免許もね。


テラモサともよばれるコブラドーラには身分証明書を持って行きさえすればなれるそうです。経験ってことですね。


今回の卒業生の一人エステラ・チリノス(55)さんは


「興奮してるわ。今もそうだけど、いい運転手になるわよ。

 私達女性は男性よりも責任感が強いの。

 特に母親であるという点でね。自分の子供を面倒見るように

 乗客に気を配れるの」


同じく卒業生のマリア・ロサノさんは


「男性運転手は大半がお酒を飲むでしょ。

 でも私達運転する女性はほとんど飲まない」


うんうん、そりゃそうだ。確率からすれば確かにそうだ。

リマの交通機関の運転手に適正試験をすれば、


四割以上がドライバーに不適正である


って結果が出るって、有名な話ですが、その適正試験は皆男性が受けているわけです。



女性の活躍に刺激され、

男性運転手も気を引き締めてくれれば

相乗効果でより安全になる…かな?

★ペルー的「遅れ」を通してみる最近のわが生活

デジカメを購入しました。


「価格コム」で二晩悩んだ挙句15000円のデジカメの中では一番バランスよく性能の良いフジのFinepix345。


しかしズームはないものの発売から五年たった今でも根強いファンのいる、

以前使っていたFinepix4500も捨てがたい。

ということでたまたま職場近くで発見したカメラ修理店にカメラを出し、とりあえず見積もりを。


今月の5日に出して「三日後に見積もりを出します」といわれてはや18日。

再三の催促にも「あと三日後」の繰り返し。



いっそ、三週間後にしろ…。



まあ、これぐらいは良しとしましょう。




PromPeru ってご存知ですか。


ペルーを観光面においてプロモーションする政府機関です。

そのプロムペルーが今年の一般観光業界向けプロモーションビデオを作りました。

クスコ、ナスカという代表的なスポットだけでなく、ペルーのありとあらゆる観光名所の映像をちりばめて、

それは美しいプロモビデオです。


たまたま知り合いの知り合いにそのビデヲ作成に携わっている人がいました。

「ナレーションを吹き込みたいんだけど、日本語バージョンを吹き込む人間がいない」

ということで、僕に声がかかります。


若くて一世の日本人男性が必要」だそうです。

他に英語・フランス語・中国語・イタリア語もふきとのこと。


信頼できる筋からの紹介でしたので二つ返事でオーケーします。


四分間のビデオで、ナレーションの時間は約一分。

その一分のためになんと3時間も費やす。一セリフ言っては



「もうちょっと元気よく」

「ピクニックに行くような弾んだ気持ちで」



という指示出しの元やり直し。

後半になると僕のほうから



―いやだめだ!今のはちょっと声に力が足りなかった。リズムも悪い。



と自らダメ出し。かいあっていい吹込みができました。


…日本の観光業界は、僕の声でペルーの魅力を知るわけですね。ペルー日本人声優第一号か!


なんてね。



えっ、僕の声ですか?


今超はやりの癒し系ですよ。お休み前にどうぞ。



録音は一ヶ月ほど前。で、来週に渡すから、といってもらった報酬は3週間後。

一緒にもらえるはずのDVDも―「忙しくてコビーができない」

という理由でまだもらえてません。

日本の両親に送りたいんだけどなあ。

「俺ももう日本代表やけえ」とかいって。


まあ、いいですよこれも。




もしあなたのことを悪く扱ったことがあったら許してね」


涙をポロポロ流して感傷的になってるのは下宿先のおかん。

日本で働いてる息子に招待されて、一ヶ月の日本旅行へと一人で旅立ちます。

常に誰かと一緒にいないと不安なおかんが一人旅です。


23時のアメリカンエアライン。


家族全員、旦那の弟夫婦も集まり、明るく、ちょっとしんみりと、送り出しました。


僕は一切気付かなかったのですが、午前三時にこの家のチャイムがなったそうです。

驚いたのはドアを開けた旦那―「いったいどうしたんだ!」


「飛行機の不備のため」飛行機は飛ばなかったそうです。

乗客は機内で午前一時まで2時間待ちました。

そして―「今日は飛びません」


希望する乗客にはホテルのチケットを配り、

アメリカンエアラインは出来るだけのことをしたそうです。


困ったのはトラブルの中頼る人間のいないおかん。真新しい空港で一人残されます。

ホテルのチケット待ちの行列の長さを見ておかんはとにかく


「家に帰ろう…」


と思ったそうです。しかし、その後の行動がまずかった。


「とにかく不安で家に帰りたかった」彼女は、家に帰ることしか頭にありません。

それでも常に経費を安く上げたいと考えている主婦の脳は

彼女を自然と空港の外へと運び、空港付きの安全なタクシーより10から20ソルほど安い、

街のタクシーを拾わせるのです。



独立記念日も近づき一年のうちで泥棒が一番多くなるこの時期


カジャオの町で


深夜二時に


個人タクシーに乗る



ペルーに住む人間ならこれがどれだけ無謀な行為かわかりますね。

ゴムなしで危…(中略)…しするようなものです。

ペルー生まれのペルー育ちの59歳のおかんは、それをやっちゃったんです。


案の定、タクシーは家に帰るルートと少し外れた(おかん曰く)ところに入って行ったそうです。


しかしおかんもリマック、ラ・ビクトリアとリマ最危険地域で育った人間です。



何を考えてるか知らないけど、バックの中にピストルを持ってるわよ。

 変なこと考えたら撃ち殺すからね



とたんかをきったそうです。

しかし空港から出てきた人間がピストル持ってないでしょ。



見送りにきたのかもしれないじゃない



そこは頭働いたんだ…。


しかしそのかいあってか、何事もなく彼女はうちにたどり着きました。

朝に家で顔見てびっくりです。



まあいいんですよこれも。



困るのは一家を取りまとめるおかんを、親戚も集まって大騒ぎしながら、

感傷的にならないように努め、明るく送り出した家族達です。



なんか再び別れるとき、空気微妙ですよね…。

二度目って、感情的になれないじゃないですか。

でもクールに別れるのもなんかね。

ほんとに、飛行機が一日遅れることによってこちらはえらい迷惑だ o|`┏ω┓´|ノ_彡☆ブーブー!!。




あ、アメリカン航空はアメリカの会社か!ペルーかんけえねえや。まあええか…。

★興奮冷めやらぬ僕のカラルフィーバー

さっそく行ってきました。国立博物館「カラル展」。

…発掘が始まったのは2004年。笑顔の素敵なペルーの考古学者ルス・シャディ・ソリスが、アメリカ最古の文明の謎解明に携わる調査団を率います。

すでに地元の人々には漠然と「神聖な場所」して知られており、学者達の間でもそこが遺跡であるということは認識はされていました。「カラル」という名前はケチュア語で「リュウゼツラン」を意味します。

文明という字を辞書で紐解くと―

「文字をもち、交通網が発達し、都市化がすすみ、国家的政治体制のもとで経済状態・技術水準などが高度化した文化をさす」

文字」というものをヨーロッパ的に考えるとペルーには「文字」は存在しなかったので、ペルーには文明がなかった、ということになります。文字という言葉は省かなければいけません。カラルに関しては他の条件を全部満たしています。100歩譲って文字が必要だったとしても、文字に代替するものはあったと。それがキープ、インカ文明の所産として知られている、紐を用いた高度な通信手段です。


あっ、くれぐれもアメリカで一番古い文明であって、一番古い遺跡、というわけではないですよ。

…「ペルーの古代文明」ということで、思いつくものをあげてみて下さい。

・岩や日干し煉瓦によるピラミッド

・信仰

・生贄

・天文学

・地上絵

・繊細な織物

・とうもろこし、じゃがいも

・サンポーニャやケーナに代表されるフォルクローレ

…そして、キープ

こういったものはその思い浮かべられるイメージの中に入っているはずです。

そしてそれはおおよそ今から500年前に栄えたインカ帝国や1500年前に栄えたナスカ文明のイメージから導き出されるもの。

でも、上に挙げた全てのものの原型が、今から5000年前の文明に全て見て取れるとしたら…?

自分が発掘に携わる考古学者なら、ここまでの要素を備えた文明が、そんなに大昔の遺跡から出てくることを、決して期待はしないはずです。

カラルのすごいところは、そういう思いをことごとくいい意味で裏切ってくれる痛快さ。先ほど挙げた要素はなんと全て、カラルにあるんです。

☆ピラミッド

panorama


ピラミッドのいい写真がなくてごめんなさい。


☆信仰


ojo de dios


神の目と呼ばれるもの。キリスト教徒の十字架に値するものらしいです。



☆生贄


sacrificio


当時は戦争がなくて、明らかに意図的に殺された跡があると。



☆天文学


astronomia


ここは突っ込まないでね…。



☆地上絵


geoglifo


口をあけた人間です。



☆織物


textiles


彩色の技術はまだありませんでした。



☆とうもろこし・ジャガイモ


papa y maiz


ここはツッコんでや!



☆キープ


quipu


おっと時間だ、仕事に行かなきゃ!



…8月31日まで展示会は催されます。入場料は無料。入り口入って右手に歩いていってください。

今ならもれなく(もれるかも)カラルポスターが付いてくるよ~!